ツイート 「ちょっとしたことで、また変わるのかなこれから」 そう言う茜に、美保は、そうだね、と返した。 ぼんやりと、風に枝から離れる花びらと、制服を着て花びらに手を伸ばして背伸びをする自分たちが、手のひらの桜を笑いながら食べているのが見えてくる。 「桜の樹の下には私たちがずっと埋まっている」 そう言いながら美保は茜に体をもたれかけた。 薄い青に染まる空を見上げて、ひらひらと頬に落ちてきた花びらを食べた。ふわりと、桜の香りが目の前に広がっていく気がした。 11/11 前のページ 3月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11