小説

『プラネタリウムの空』中野由貴(『シンデレラ』)

 私の目の前に赤い風船が舞い上がっていく。
「まあ、どうしましょう。すみません」
 母親と思しき人が、駅員を呼びに行く。
 東京駅の丸いドーム。あの向こうには空があって、無数の星が瞬いている。そう思うとほっとした。
「さあ、帰ろう」
 赤い風船が、プリンアラモードの真ん中でゆれた。

 

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