ツイート 家の近くの河川敷に着く頃には、沈みかけの夕日が水面に反射して、きらきら光った。友莉はかがみこんで、ワンピースに包まれた花を地面に置いた。 水色のワンピースの布地から、花がのぞいた。 ヒナギクだ。 ヒナギクの花に、ワンピースのヒバリが重なった。友莉には、ヒバリがヒナギクに頭を乗せて、くつろいでいるように見えた。 友莉は、ライターの火をそっと近付けた。火は走るようにして、ヒナギクとヒバリを一気に包み込んだ。 白い煙が天高くのぼっていった。 13/13 前のページ 第4期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13