ツイート 「おおー桜が咲いてるよ」特急をやめ、敢えて選んだ長距離の鈍行列車が山間を走る中、ボードリヤールが線路脇の桜に反応し車窓を開けた。 「おい、そんなに興奮して頭から落っこちるなよ」 「ブーツが重りになってるから大丈夫だっての」 開け放たれた窓から流れ込んだ春の風が、ひんやりとボードリヤールの髭を揺らし、俺の頬を撫でた。 14/14 前のページ 第4期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14