『シェル゠セプティノスの憂鬱』
★冲方さんからのコメント
ヒロイック・ピルすら用をなさない憂鬱なるシェルの学園生活という時点で笑えます。というか健全なのがむしろ怖いよシェル。オチがまんまなのが安心感を呼ぶお話でした。
『新しい相棒、そして』
★冲方さんからのコメント
あらすじが脱稿後の感想なのが微笑ましくなる一品。運動会の借り物競走で困るバロットをあえて助けないウフコックが良い。普通に喋る幽霊ボイルドが妙に愛嬌があります。
『チョコレート・スクランブル』
★冲方さんからのコメント
ボイルド先生がバレンタインデーにチョコレートをもらう学園物。笑いすぎてお腹痛い。畜産業者も不良役で出現。もとい出演。バロットが気になるボイル先生。それ犯罪です。
『マイルデッグ The Mild Eggs』
★冲方さんからのコメント
キックの効いた文章が魅力的。キャラや都市名の表記を微妙に変えて、似て非なる印象を作るやり方も上手い。ネタかと思いきや真面目に書ききろうとしているのが好印象。
『マルドッゥク・アウトライブ』
★冲方さんからのコメント
イースターの友人という設定で、冒頭から引きがあって良いですね。事件作りだけでなく人間関係作りが丁寧。ほぼ会話劇で、きっちり文体を合わせてきているのがすごい。
『マルドゥック・アヴェンジェンス』
★冲方さんからのコメント
こういう切り口があったかと思わせられた一品。鑑識と刑事が不可思議な事件の解明に挑む。コンビの凸凹感も好印象。かくして捜査が始まる、という展開も良い。
『小さい声で歌う-第0章・梗概ー』
『小さい声で歌う-第1章・樫島-』
『小さい声で歌う-第2章・ゆき-』
『小さい声で歌う-第3章・四軒-』
『小さい声で歌う-第4章・しい-』
★冲方さんからのコメント
ほほ~と感心してしまいました。人工皮膚を作ろうとする科学者と、事故に遭った少女の恋の物語。まさにインスパイアですね。このアイディアの落とし込みは大変素敵です。
『マルドゥック・とりかえばや・スクランブル』
★冲方さんからのコメント
能力だけを入れ替えるというアイディアが秀逸。そして笑えます。「バロット、変身だ」でもうお腹痛い。よくまあ思いつきました。まさかのハッピーエンドも大変好印象。
『マルドゥックリブート』
★冲方さんからのコメント
やさぐれた人物の再生の物語、という直球勝負は好物です。体が鏡に映らなくなるという能力も使いどころや意外性で楽しめそう。ラブロマンスもあり。いやはや欲張りですな。
『value of self』
★冲方さんからのコメント
バロットの心情を、行間を埋めるかたちで対話とモノローグでつづるという真っ直ぐな書きっぷりが素敵。この掌編独自の回答もしっかり提示しているのが良いですね。
『ブルーダイヤ』
★冲方さんからのコメント
いかにしてシェルが失墜していったかというハードなテーマを真っ直ぐ書こうとしているのが伝わってきます。いずれ消えるシェルの記憶、というのがまた切なくて良い。
『ペア・スクランブル』
★冲方さんからのコメント
これはまた力作ですね。登場人物の設定も堂に入ってます。ルビの嵐も楽しげ。ほとんど歌詞のような文章も面白いと思います。これは読み手を選びますが、僕は好きですね。
『五連闘争』
★冲方さんからのコメント
自分たちが登場する物語を守るために戦う、というメタ・フィクションものに挑戦した一品。なんと、こういう切り口もありますか。言葉遊びならぬ文章遊びがとても素敵。
『マルドゥック・イミテーション』
★冲方さんからのコメント
シザースの視点という切り口が面白い。原作のキーワードを様々に活用しながら、しっかり自分のものにしているのがすばらしい。こういうやり方もあるのかと感心しました。
『華園』
★冲方さんからのコメント
オリジナルのキャラクターを丁寧に描きながら、原作サイドにしっかり落とし込んでいることに感心します。それでいて独自の作風にもしている。これはなかなか上級ですよ。
『GO-ON 轟音』
★冲方さんからのコメント
バロットとかつての客というアイディアに、思わずこちらが緊迫の展開を期待してしまいました。バロットが熱を出して耳鳴りに襲われる描写が生々しくて良いです。
『Emergency summonS』
★冲方さんからのコメント
招集された場所で起こるワン・シチュエーションもの――を想定した出だしがなかなか素敵。人物描写だけなのに、どういう展開になるのか気になってしまう引きも達者です。
『Mardock Confession』
★冲方さんからのコメント
シザースの精神が誕生する以前の物語、という面白いところをよく思いつくなと感心しました。SFガジェット満載感が漂う描写の数々。良い出だしだと思います。
『マルドゥック・アポクリファ』
★冲方さんからのコメント
畜産業者に奪われた肉体の奪還。いやはや、まさかこういう切り口で書きますかと感心。奪われた肉体の一部を取り戻すという生々しさが、醜悪にならない文章はお見事。
『ロボコック』
★冲方さんからのコメント
塩澤部長お気に入りの一品。僕も楽しみました。頑なに半熟卵しか作ることができないロボコック。もう意味が分からないストレートさに大いに笑いました。