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『つながる、つながる』真銅ひろし

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 ホテル『sole』の定例会議。
 宿泊部門、料飲部門、宴会部門、営業部門の主要な人間が集まり会議をする。ただ会議と言っても毎回大きな議題があるわけではなく、各部門の予算だったり、現状の報告、今後の展開なんかをザッと話していくのが通常だ。
 そんな中でポロッと出て来た話題がこのホテルに入っているBar『piombo』についてだった。
Bar自体は綺麗だし、洒落ている。ただその先がない。来店して頂いて、雰囲気とお酒を楽しんでもらって・・・そこにもう一個何か乗っけたい。
と、そんな話になった。こちらとしてはいきなり自分の所の話になり戸惑った。
「じゃあ、なんかさ、今は自動化か進んでるでしょ。だからBarの無人化、ロボットが全部作るみたいな。」
 と一人の役員が意見を出した。
「ん~。」
 みんな一様に唸る。
「例えばね。一案として。」
 役員は苦笑いを浮かべながら訂正する。
「遊び心っていうの?お客様に楽しんで貰える企画がいいよね。」
 と、声が上がる。
「そうですね~。」
 またみんなが一様に唸る。そこからあれやこれやと意見が交わされた。
「お酒を自分で作ってもらうのは?」
「いや、面倒でしょ。」
「その人のオリジナルを作ってあげるとか。」
「いいですけど、レシピはマンネリになっていくんじゃないですか。」
「くじ引きで当たったら一泊無料。」
「なんか面白味に欠けるね。」
「カクテルのロシアンルーレット。」
「居酒屋じゃないからね~。」
「お笑い芸人を呼んでライブ。」
「単発のイベントは嫌だな~。」
「・・・。」
「ん~。」
 出ては消え、出ては消えの繰り返しが続く。みんな自分の所じゃないから好き勝手言っている。
正直面倒だな~と心の中で思う。Barの責任者の私としてはいきなり降ってきた提案だ。出来ることならそんな事はせずに現状維持でいきたい。
「じゃあさ、色々案は出たけどさ、一旦駒ヶ根君持ち帰ってよ。お店の方でも一回揉んでよ。」
 直の上司である一ノ瀬はニヤニヤと薄ら笑みを見せながらこちらに話しを振ってきた。
「え、僕ですか?」
「だって、現場にいる人間の方が色々とアイディアが浮かぶんじゃない?」
「そうかもしれませんけど・・・。」
「じゃあ、いいじゃない。私も手伝うからさ。」
「・・・分かりました。」

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