『桜の精と殺人事件』
日下雪
(『桜の森の満開の下』(三重県鈴鹿峠))
冴えない女子高生の牛江春果は、桜の咲く季節に転校生の遠山咲良と友達になる。ところが、美しい咲良は実は虚言癖を持っていた。咲良の裏切りにより、級友全員からいじめられることとなった牛江は、悩んだ末に咲良を屋上から突き落としてしまう。校庭には、一塊の桜に変わった死体だけが残された。
『長靴にはいった猫』
洗い熊Q
(『吾輩は猫である』)
これはご主人を愛してやまない、長靴に入った吾輩の話である。
『ヨコシマ太郎』
木暮耕太郎
(『浦島太郎』)
高校生の玲二は、地元で開催される花火大会に行く。道中、町一番の美人、ももりの弟の良平を見かける。玲二は不良に絡まれている良平を助けるための一日をループする。良平を助けることで玲二はももりと花火を見ることになった。目が覚めると、玲二としての体験はゲームであったことを老人は思い出す。