『20年前の君に』
霧赤忍
【「20」にまつわる物語】
二十年前、まだ二十歳だった佐藤晴一(ハルイチ)はカフェで美女を懸命にナンパする。苦戦を強いられるが、晴一に追い風が吹きとんとん拍子で付き合うことに。だが初デートに現れたのは別人と思われる美しい中年女性だった。これは美女のイタズラか、それとも超常現象か……
『オールドマン オブ マリッジブルー』
伊佐助
【「20」にまつわる物語】
一年ほど前に娘の愛子から彼氏と結婚すると聞かされ、「今日」に至るまで心を酷く苦しめられた誠治。誠治は愛子と二人で永遠に暮らせるものだと信じていた。彼氏への嫉妬。嫉妬が恨みに変わり、恨みが殺意へと変化する。二十名の男女が集う会場。ついに一本のナイフが誠治のポケットの中へと忍びこむ。
『わがままな人体』
紫水晶
【「20」にまつわる物語】
篠崎健人は思った。脳を介さず、身体を自由に動かせることができたらどんなに楽かと。そうすれば、彼女のくだらない話などにいちいち悩まされることもなくなる。だって、耳が勝手に聞いて、口が勝手に答えればいいのだから。そんな健人の切なる願いを叶えるべく、選ばれし二十の器官が動き出す。
『ようこそ! 二十番街へ』
間詰ちひろ
【「20」にまつわる物語】
彼氏に振られ、自暴自棄になるキクコのもとに一通の封筒が届いていた。そこには、「特別な貴女を、二十番街へご招待します」と書かれていた。不審に思いながらも、迎えに来たシカダと名乗る男に連れられて、キクコは二十番街に行ってみることにした。
『キャンドル20』
もりまりこ
【「20」にまつわる物語】
妹の更紗と俺はふたごだった。誕生日は知らない。教会の入り口のカゴの中で
置き去りにされていたから。今日はふたりのうその誕生日20日だった。そんな他愛のない日常だったその日が、更紗と俺の空だけを曇天に濁らせてゆく。俺の身体に予兆のような痛みを伴いながら。
『キリコの審判 凶はラッキー』
山田密
【「20」にまつわる物語】
40歳になり高校時代に死んだキリコにした虐めに向き合う為仲間が集まる。しかし、虐めをした自覚が無い久子は久しぶりに会う仲間との再会に心弾ませ一人深夜バスに乗ったが、バスは途中で事故を起こし、そんなヒサコにキリコの審判が下る。
『信じた僕がバカだった』
広瀬厚氏
【「20」にまつわる物語】
小学生のときに世界人類滅亡の予言をしった僕は、どうせ二十歳になる前にすべて終わってしまうのだと諦め、何事にも一生懸命になれず、ただなんとなく毎日を過ごした。しかし滅びると予言に聞いた二十世紀最後の年の七月は何事もなく過ぎ、八月二十日僕は二十歳となった。
『こびとの片想い』
夢叶
(『白雪姫』)
ある日、小人たちの家に美しい少女が迷い込んでいた。何か理由があり、帰れない彼女を小人たちは家におくことにしたが、1人の小人が彼女に惹かれていく。しかし、彼女は毒リンゴを食べて倒れてしまう。悲しみから立ち直れない小人は、眠っている彼女に…