『二十日前から』
坂入慎一
【「20」にまつわる物語】
勤めていた工場が火事で焼けて無職になった主人公は引きこもりのような生活を送っていた。ある日、主人公の前に女があらわれ「二十万年前、あなたに助けて頂いた鹿です」と言う。やがて主人公は女が中学のときのクラスメートであったこと、二十億年前に自分がバクテリアであったことを思い出す。
『20歳の夏休み』
菊谷達人
【「20」にまつわる物語】
美大生の僕と凧は20歳の夏休みに、遠い親戚で郊外に一人暮らす女性、書道家の圭華のもとですごすことになる。自己暗示による訓練で還暦をすぎても肌艶もよく若々しい圭華は、すすんで凧の得意な催眠術をかけてもらう。彼女は裸になり、ふたりの男を求めてあしをひろげる。自らの暗示に身を委ねて愛欲の世界に3人は踏み込んでゆく。
『イート・インラプソディー』
もりまりこ
【「20」にまつわる物語】
むかしちいさかったころ大好きなせぴあおばあちゃんのおみまいに行った時、オオカミの血を持つ斎藤うるふにのみこまれてしまったあたしは、その腹の中で15まで育った。そんな秘密は話せないまま好きなカイとふたりで暮らしていたある日、鬼畜だった養父青田鹿生から1通の忌まわしい手紙が届く。
『再会』
中杉誠志
【「20」にまつわる物語】
チビでハゲでデブでブサイクなデー氏は、苦労の末に大企業の社長になり、金に物を言わせて派手な暮らしをしていた。ところが、どんな若くてきれいな女を愛人にしても、満たされない。そこで二十年前に付き合っていた昔の恋人のもとを訪ねてみたのだが・・・
『婚活パーティー20の空欄』
じゅんざぶろう
【「20」にまつわる物語】
周りにいる友人や同僚が次々と結婚していき、焦りだした男性が初めて婚活パーティーに参加した。まずやらなければいけないのがプロフィール表に自分自身のことを記入すること。空欄を埋めていく中で突き付けられた、自分が今まで歩んできた人生の中身とは。
『主婦とスキャンティ』
緋川小夏
(『シンデレラ』)
小松雅子は娘の遥香に「女としてオワコン」と言われ、悶々とした日々を送っていた。そんなある日、母の日のプレゼントとして封筒を手渡される。中に入っていたのは、かつて雅子が熱を上げていたアイドルのライブに参加できる、老舗温泉バスツアーのチケットだった。