バーテンダーの侑は、九歳の琉音やその父親、友人たちとキャンプに。テントで皆が寝静まった夜、寝袋に包まれた琉音に面白い話をとせがまれた侑は困り果て、即席の昔話を語りだす。「川から巨大な芋虫が流れてきました。」
かぐや姫のように美しい少女「かぐや」。高校のクラスメイトの“私”は、モテる彼女が少しだけ羨ましい。けれども、かぐやは、言い寄ってくる男子を一刀両断。無理難題を突きつけ、取りつく島もない。その本心はどこに。
昔々、一粒の玉が天から降ってきた。途中、玉は二つに分かれ、ひとつは花盛りの瓜畑に、もうひとつは、寂しいいばらの荒れ野に落ちた。玉から生まれた二人の女の子は対照的な環境で育ち、ある日、ついに出会う。
「人魚の肉を食べた人間は不老不死を手にいれる。」人間の女の子に恋をした人魚は、毎日海から海岸で絵を描く彼女を見つめ続ける。そしてある日、薬を使って人間の姿に変わり、彼女に会いに行く。実は彼女は…
周りから美人ともてはやされる高校生の芙美は、両親のどちらにも全く似ていない。性格も真逆だ。自らの出生に疑惑を持った彼女は、家で昔のアルバムを探すが、自分が生まれる直前の写真だけ無いことに気付いてしまう。
孫に「おじいちゃん、お口臭い……」と言われた大澤平蔵。小さい会社ながらも会長を務める彼には、世間にも家庭にも怖い者がいなかった。口が臭いと思わせる素振りなど、誰も見せたことが無い。でも本当は?
雪国で病に伏せる弥作を看病してくれたのは、透き通るような肌の美しい女だった。口のきけない彼女は、筆で“雪”と名乗る。共に暮らすことになった二人。ある日、雪は5年前に亡くなった弥作の父親の死の真相を告白する。
小学三年生のワカバの将来の夢は、おはなしおねえさん。でも、クラスの男子に馬鹿にされてしまった。帰り道、偶然通りがかった公園でモデルさんを見つけ、モデルになれば彼らを見返せると思い、質問してみると…