「ねえお母さん、じいじが今度トミカ買ってくれるって! 電車のトミカ!」
買い物を終えた優香が合流すると、興奮ぎみのしのぶが即座に報告を上げ、正文の悪事が優香にばれることとなった。秘密って言ったんだけどなあ、と頭を掻いて、ごめんごめん、と優香に言うと、案の定怒られ、もう、何回も言ってるのに、とぶつぶつと怒る優香であったが、しのぶに対しては、いい子にすんのよ、おばあちゃんち着いたら、じゃないとトミカ買ってもらえなくなるよ、と釘を刺した。はーい、としのぶは返事よく答え、それがまた可愛くて仕方なく何度でも何個でもトミカを買ってやろうと正文が思う。
「じゃあ、おばあちゃんのとこ帰ろうか」と正文がしのぶに声をかけ、優香も「帰ろう帰ろう~」と少し機嫌を取り戻して、二人でしのぶの手を引いて家に帰る。家では透子が、しのぶと優香のために、いつもより少し豪勢な食事を用意して待っている。