応募規定 応募要項 こんな時間にどうしうたんだろうって思ったら、ひとつの観覧車の中に人影がみえた。その女の人は窓からわたしに向かって手を振っているようにみえた。びっくりするぐらい百合子さんに似ていた。 わたしはおもむろに、指の形でフレームを作る。いつか小さかった七生が教えてくれたエアカメラだった。親指と人差し指で形作られた中に観覧車を入れる。目をつむった。祈るように目をつむって、おもむろに目を開く。 その時、あの日みたいにどこからか風に運ばれてきた一枚の大きな花びらがわたしの眼の前をひらひらと舞っていた。 7/7 前のページ 第2期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7