「ねえ、なんで下着売り場にいたの?」
僕は餃子の神様に聞く。餃子の神様はしれっとした顔で、
「女性下着が嫌いな男がいるか」
と答えた。
「そういう理由? いやらしい神様」
僕がからかって言うと、餃子の神様はふてくされてフローズンドリンクを一気に飲み、くだものが気管に入ってげほげほと咳をしたので僕は笑った。餃子の神様は咳をし続けた。なかなか咳は止まらなかった。だんだん心配になってきたので僕は餃子の神様の背中をぼんぼんと叩いた。おえっ、と言った餃子の神様の口からは小さな餃子がひとつ飛び出してきた。
「え?」
「ほら、わし、餃子の神様だから」
餃子の神様は笑って、
「食う?」
と僕に聞いた。
「食わない」
僕は笑った。