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『わたしのホッピー君』まかもこ

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ホッピー君がわたしの目の前でホッピーを飲んでいる。
飲料研究会という名の飲みサーに所属する私たちのニックネームには、いつの頃からか何かしらの飲料の名前が使われていて、誰がつけたか彼はホッピー君におさまっていた。

本当は今日のデートのお相手は女子一番人気のサークルのエース、黒ビール君のはずだったのに。恒例のサークル飲みで偶然にも隣に座り、なんとなくいいかんじになり2人で二次会に流れ、そのまま彼の家に泊まったのは3ヶ月前だったろうか。
別れは突然やってきた。
私がわがままを言いすぎたせいかもしれないし、元からキープされていただけかもしれない。LINE にしてたった4文字のあっさりしすぎた別れだけれど、追求する気力がわいてこないのだからどうしようもない。所詮彼にとってはその程度の関係だったのだろう。
周りがいいと言うから錯覚で気になっていただけで、もしかしたらわたしも似たようなものかもしれない。
考えても仕方ないや。もう、終わったんだし。

ぽっかり予定の空いたわたしはいたたまれず何人かに声をかけたが、三連休の中日ということもあって、最終的にホッピー君と2人という運びとなった。

ホッピー君はその名の通りサークルみんなの弟役だ。ワインや日本酒のような敷居の高さや独自のこだわりに捉われるような雰囲気はなく、ちょっとポップで誘いやすい雰囲気を醸し出している。
みんなの愚痴聞き窓口にもなってるし、人の悪口も聞いたことがない。誰とでもフラットに付き合えるタイプの男だ。
カテゴライズすれば間違いなくいいやつ。たしかにいいやつではあるのだけれども、熟成された深みや華やかさに欠けるんだよなぁ、、。色気が足りないのかなぁ、、。話題も特にないので恋愛から切ってみることにした。

「ホッピー君てどんな人がタイプなの?」
「んー恋愛慣れしてない子かなー?タイプとは違うのかもだけど、男ってかんじしないでしょ、俺、だからかそういう子に好かれやすいみたいで。」
「なんかわかるかも」
「肉食にはなれないよ」
「ふうん」

彼の言葉はテンポよく吸い込まれるみたいに空気に溶ける。

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