ブックショートでは毎月2つのテーマをもとに、これまでの優秀作品のなかから短編小説を特集していきます。
クリスマスまであとわずか。12月の特集①は「贈り物」がテーマ。プレゼントにちなんだ作品をピックアップしました。
贈り物を選んだり考えたりするのも大切な時間です。
独身の五十男にとって、クリスマスにいったい何の意味があるというのだ。ましてや失業中の我が身にとって、街の浮かれた風景は目障りでしかない。気が付くと、俺は一人で暗闇の中にいた。杖をついた老人が俺を手招きしている。
ある日、私の娘と名乗る女から電話があった。妊娠してはいけない人の子が出来てしまい、お金が必要ということだった。私に娘はいないし、結婚したこともない。こんなとき、振り込むバカなどいるのだろうか、俺以外に。
「ごめん、好きな人ができた。」携帯の画面に映された吹き出しにそんな文字が入っているのを見た瞬間、ぽかんとしてしまった。真昼の公園で抜け殻のように呆ける加奈。そんな彼女に、ある少女が四葉のクローバーを差し出した。
「運んだ食べものはまず女王様に食べていただき、その次に女王様が生んだ子供たち、そして女王様の側近の方が食べて、次は・・」アリは、暑さに耐えながら汗だくになって、自分の重さと同じくらいの食糧をせっせと運ぶ。
罠にかかったところを道具屋に助けられた狸は、恩返しをするために和尚に相談した。茶釜にしか化けられない狸だが、和尚のアイデアによって貧しい道具屋に福をもたらす。そしてある夜、狸は再び和尚のもとを訪ねた。
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