初めて娘の前で素直に思いを口にできた。娘が今日こういう話をしてくれなかったら一生素直にお礼なんて言えなかったはずだ。それこそ死ぬとき後悔することになっただろう。
「お礼なんか言われたらなんか照れ臭いんだけど。それよりまだまだ健康でいてもらわなきゃ困るからお父さんの健康管理もこれからはするからね」
「え?」
三本目の缶ビールを開けた俺を娘は睨みながら笑っていた。
「これからは娘と色々話せそうだよ」と思いながら仏壇の妻の遺影を見た。いつも以上に微笑んでいる妻の顔と娘の顔を交互に見ながら飲むビールは最高に旨かった。