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『ワンフォーボーズ! ボーズフォーワン!』永佑輔


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 さあ、幹斗の言い訳タイムが始まる。
 曰く、映画同好会所属の幹斗は、ジンと共に『ワンフォーボーズ! ボーズフォーワン!』という自称感動的なドキュメンタリーを作るべく、照子がツルツルになったという嘘を吹き込み、その嘘をキッカケにクラスメイト達がどう動くかを撮ろうとしていたが、ジンが洗脳されるわ、ツルツル反対派が勝つわ、カメラを忘れるわ、しっちゃかめっちゃかになり、今やどうでもよくなったとのこと。
 クラスメイト達は幹斗の企画にまんまと乗せられた飴野をせせら笑った。
 念を押すようにチャイムが鳴る。もはや飴野にも飴野の頭にも興味がないといった様子で、皆が教室を出て行った。
 教室に、ぽつねんと一人たたずむ飴野。耳に入る運動部の掛け声、吹奏楽部の運指、コーラス部の歌声は虚しさを増幅させた。
 その飴野の姿を、その飴野の頭を、照子は廊下からいつまでも眺めていた。

 翌日、岩戸中学はすっかり日常を取り戻していた。
 家族に説得され、飴野は渋々と登校、気合を入れて教室に入ると、頭を撫でてお道化てみせる。が、誰一人クスリともしない。
 覇気なく席に着く飴野。日差しが眩しく、蝉しぐれが鬱陶しい。カーテンを閉めようと席を立ち、左を向く。
 ツルツル頭の女子が座っている。照子だ。
「おはよう」
 シュッ! 照子が飴野のツルツル頭にサラテクトを吹きかける。
 飴野の心に、そして地球に太陽が戻った。

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