「そう言っていただけると幸いです」
優しい両親が欲しいと書かれたサンタへの手紙を見た時はどうしたものかと頭を悩ませたが、本当に家族代行サービスを頼んで良かった。もっとも、知らない人に息子を預けるという不安はあったが、コウスケの様子を逐一報告してくれたし、コウスケも満足げな表情をしていた。不満なんてあるはずがない。
「それで、どうしましょうか? おそらくコウスケ君は夕食を食べに起きてくると思うんですけど。このまま私たちは去りますか? それとも、明日の早朝まで変わっていましょうか?」
「私たちが戻っていた方がコウスケも安心するでしょうし。今すぐ変わりましょう」
少しでも早くコウスケに会いたい、という本音は心の中にしまっておく。
だが、妻にはお見通しだったようだ。「本当は早く会いたんでしょう?」と冗談めかして尋ねてくる。恥ずかしいので、そっぽを向いた。
「素直じゃないんだから」
朗らかな笑い声が部屋に響いた。