10月期優秀作品発表
ARUHIアワード2022 10月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品32作品です。
『新しい原点』
陸曦
(①新しい生活)
木村真治は人生2度目の大学2回生の春に、鴨川沿いにフランスへ留学しに行った永野まさみを待っていた。永野は戻ってきたとき、留学直前の学園祭で木村に伝えたかったことを明かした。木村はいまさら気づいて感動して、新しい生活でもう一度頑張りたいと思い、永野と一緒に前に進もうと決めた。
『凪へ吹く風』
獺川浩
(①新しい生活)
社内恋愛で結婚と離婚をキメた「わたし」は、仕事を辞めて自堕落な生活を送っていた。生きづらさを抱え、将来に思い悩む中、訪れたアイスクリーム店である老淑女と出会い……。
『虫捕りばあちゃん』
阿部凌大
(②私の「家族」)
おばあちゃんの家に遊びに行くと、おばあちゃんはガラスケースの中のトンボを見つめながら、これはおじいちゃんなの。と私に微笑んだ。聞けば亡くなってから幾度も、虫に生まれ変わってやって来るというおじいちゃん。おばあちゃんはその度に山の中へと、おじいちゃんを迎えに行くのだった。
『じっちゃんは正面霊』
長月竜胆
(②私の「家族」)
フードデリバリーの配達の帰り道、ちょっとした事故で“俺”は道端の地蔵を壊してしまう。適当に誤魔化して逃げ帰ったその日の夜、死んだはずの“じっちゃん”が恐ろしい形相で現れて……。
『朝ごはんの約束』
石田真裕子
(②私の「家族」)
私は毎日、少しだけ早起きをして、家族3人分の朝ごはんを作る。料理は苦手だし、毎日同じようなメニューになってしまうけれど、この町で暮らし始める前にあなたと交わした、小さな約束を守りたいから、今日も私は朝ごはんを作る。