『うらぼんえ』
伽里野凪
盆休みの最終日、夕飯を買いに出かけた私は盆踊りに遭遇した。屋台飯を購入し、そそくさとその場を離れたものの、盆踊りが大好きだった子供時代の事を思い出していた。そしてその夜、街を踊り練り歩く不思議な一団と出会い、私は迎えられ、送り出される事となるのだった。(小説)
『舌切る由も選びよう』
犬川歩乃佳
連日残業に勤しんだ末、遂に掴んだ定時退勤。半額のパック寿司を買って帰った「私」は、自宅で恋人の浮気現場に遭遇した。さて、次に取るべき行動とは。クズ男と盗人女、どちらを殺すべきなのか。どのように殺すべきなのか?(小説)
『恩知らずの鶴』
川瀬えいみ
家族も友人もいない孤独な老女が、通りすがりの父子に親切にしてもらう。彼等に恩返しをしようとする老女。恩返しを拒む父子。父子とのやりとりで、老女は、自身の孤独のわけを知る。(小説)
『扉越しの訪問者』
桃宮守
ある日、私は出張先で奇妙なノックを聞く。ノック音は確かにしたのに、廊下には誰もいないのだ。イタズラか、はたまた聞き間違いか。そんなふうに考えていたのも束の間、ノックが私に「近づいてくる」。最初は出張先の北海道、次は飲み屋、そして職場、恋人の家……。じゃあ……次は?(小説)
『ゴールデンチケット』
太田純平
無職の青年二人が仕事探しをしていると、テレビから選挙特番が流れてくる。「選挙いく?」「いっても何も変わらねぇよ」――そんな彼らの発言を尻目にテレビのキャスターが告げる。「今回の選挙から、あなたの1票に100万票の価値が付与されるかもしれない、ゴールデンチケット制度が始まります」(脚本)
『透明人間』
藤木健
奈美に親友の瞳から電話が来た。奈美が中学時代、好きだった龍崎と一緒にいると言う。奈美は今日こそ思いを伝えたいと思い、待ち合わせ場所に向かい、三人はランチをする。だが、瞳と龍崎が奈美がまるで見えていないかの様に二人で話し始める。奈美は悲しくなり涙を流すと、見知らぬ男に声を掛けられる。(脚本)
『1円ロマンス』
ササキタツオ
おっちょこちょいの女子高生、奥寺麻衣(16)はある朝、駅前のコンビニで財布から多量の小銭を落としてしまう。恥ずかしさの中、小銭を拾う麻衣はそこで1円玉を拾った山本悟郎(16)に一目惚れして……。1円玉をめぐる青春ロマンス!(脚本)
『ひまわりと私』
ササキタツオ
進学校の高校に通う細田詩織(16)は親の期待と重圧で急性精神病の診断を受ける。 両親は詩織を田舎の伯母さんの家で療養させることにする。詩織はそこで右足に障害を持つ版画家の植野梢(49)と出会う。たくましい梢から版画を教えてもらう中で詩織は自分と向き合い、前を向いて歩き出す。(脚本)
『浜の瀬川にゃ二つの奇蹟』
小出水賢一郎
宮崎県小林市に暮らすナオトシ、トーマス、ギリチンの3人組は中学生最後の夏の思い出作りに小林イチのパワースポット陰陽石を拝みに国道265号線を自転車で走らせる。(脚本)



