小説

『陰ーHer shoes』柳井麻衣子(『外套』)

その日は目がズシンと重く、起き上がろうとしても力が出なかった。
安貴は少し泣きながら疲れた声で「自分で探す。」と一人言いながら目を閉じた。
そのまま安貴は目を開けることはなかった。

 
コンビニのから過ぎた門。
小さな影がうっすら見える。

靴を履いていない老婆がいると噂になっていた。

「いや、それは老婆ではない。」
若い警察官は、明日必ず安貴が言っていた靴屋に行かねばならないという気になった。

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