ツイート 私はもしかするとあの時、ハサミを使った時に、彼女を殺してしまったのかもしれない。保健室で、手当が間に合わなくて死んでしまったのかもしれない。だから誰も何も言ってこなかったのかもしれない。今ではその記憶も曖昧になってしまった。彼女にとってのドッペルゲンガーは私だ。 カッターを押し当てた手首から、私の血が、つうと流れた。絨毯の上にぽつぽつと落ちる。彼女の血がそうだったように、点々と。 10/10 前のページ 1月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10