僕は言った。
「さぁね・・・」
「僕という幽霊を見ることで、あなたは自分を苦しめている。そんな人間を責めることは、大抵の人間にとって難しいでしょう」
「へぇ、機械が随分わかったようなことを言うようになったな」
「あなたは、本当に偉そうですね」
「え?」
「そうやって死ばかりを覚えていようとするから、息子さんが生きていたことを忘れてしまうんですよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・怒ってるのか?」
「気にしないで下さい。ただの真似事ですから」
「トキヤくん、こんにちは」
「こんにちは菅原さん」
「あらいいわねぇ、お庭がどんどんきれいになって」
「ありがとうございます」
「うちもちょっと、高くなりすぎてる木があるのよね。ねぇ、相場の料金お支払するから、あなたをお借りできないかしら?孝雄くんに言ってみてもらえる?」
「わかりました。相談してみます」
「なんだかおかしいわね」
「何がですか?」
「男の子の姿をしてたときより、あなた、今の方が話しやすいわ」
「そうですか」
「息子が来週帰ってくるんだけど、あなたのこと言ってないの。会ったらどんな顔するかしらね」
「それはやっぱり、怪物を見たような顔をするんじゃないですか」