小説

『宵待男』室市雅則(『宵待草』竹久夢二)

 しかし、この『明日』はいつ来るのでしょうか。
 本当に『明日』来るのでしょうか。
 でも、疑っても仕方がありません。
 僕には待つことしかできません。
 僕は彼女を好きになった待宵草なのです。
 仕方ありません。
 空を見上げますと月も出ていません。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13