ツイート 「旦那様? 君、何を言っている、旦那様は息を引き取っただろう」 震える声でそう言うと、使用人は笑った。 「何を仰いますか。旦那様はご存命ですよ」 慌てて旦那の部屋へ向かい乱暴にドアを開ける。そこには立派な椅子にゆったりと座る老人がいた。旦那だ。 「どうした? 幽霊でも見たような顔をしているぞ」 背後から足音がして振り返る。使用人がいた。 「旦那様一名、準備完了しました」 誰に言うでもなく、大きな声でそう叫ぶ。 「間もなく治夫様の入れ替えも完了です」 8/8 前のページ 第4期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8