ツイート そのひとは雪女になったのだろうか。それとも祖父が雪女にしたのだろうか。 春が来るころには、納屋の氷の彫刻は溶けていった。 そして、次の冬が来て、雪が降る日が続いても、とうとう祖父は雪女を彫ることはなかった。 僕は、二度と雪女に会うことはないのだろう。そう考えたとき、門前に立っていた女の姿がはかなく思い出された。 5/5 前のページ HOME 1 2 3 4 5