ブックショートでは毎月2つのテーマをもとに、これまでの優秀作品のなかから短編小説を特集していきます。
今月は「敬老の日」があることにちなんで特集①は「老人力」がテーマ。これまでの優秀作品のなかからおじいさんやおばあさんが活躍する小説をピックアップします。
今月はいつもにも増して、感謝の気持ちを大切にしましょう。
病気で寝込んでいる祖母のよくわからない意向で庭の桜の木は伐られ、残されたのは断面の生々しい切り株だけだ。それでも桜の咲く季節になると、花のない庭で宴会は開かれたという。睦子ばあちゃんが昔聞かせてくれたお話だ。
”親不孝”の報いを受けるという三途の川にある賽の河原。そんなところにも高齢化は波及。親子三代揃って積み石を続ける重治、重雄、重蔵は、あるときついに、待ちに待った解放のチャンスを迎えるのだが・・・
海の青さは照らされた太陽の光と澄んだ空気によってより一層映えている。欲張りで有名な爺さんと、両ほっぺに大きなこぶを持つ爺さんは、そんな海辺で焚火をしながら冬の寒さに耐えていた。すると、近くの藪から鬼が現れ…
「そういえば『もし救急車で運ばれるようなことあったら、勝負下着に着替える』って言っていたよね。救急隊員が男前かもしれないから。」祖母は口ベタで、だったけれど、誰からも好かれて頼られていた。豪快な人だった。
年老いたお義母さんと同居するチカ子。彼女は毎日同じ時刻に通帳が無くなったと騒ぎ立て、チカ子を犯人扱いする。医者のアドバイスで散歩をすることになったお義母さんは、チカ子の新品の靴で足を踏み出す。
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