○大賞作品:
『美知の通勤電車』司真
○あらすじ:
川島沙織は、娘の美知を会社の保育所に預けるため、3年間、満員電車で一緒に通勤してきました。美知が小学校入学を迎えるにあたって、そんな生活が終わりを迎える最終日、美知は、今まで混んだ電車の中で2人を支えてくれた3人の”友だち”に折り紙を贈ってお礼をしていくのでした。
○選考理由
今回の「Earth Act For Life AWARD」は、私たちアースグループの経営理念を親しみやすく物語として表現するため、「家族を思う気持ち」をテーマに一般公募した企画でした。
日本全国から届けられた581の作品は、社内の様々な部署から選ばれた10名の審査員によって真剣に話し合い、審査しました。
寄せられた作品の中には、テーマである「家族を思う気持ち」を通じて、様々な絆や思いやりのカタチが表現されていて、私たちにとって大切にすべき価値観の視野を広げることが出来ました。また、洗面所に置かれた”モンダミン”の異常な減り具合で息子の恋を疑う母親の話や、暗く怖いイメージを持っていた汲み取り式のトイレが消臭芳香剤によって和らいだ話など、私たちの商品と皆さまの日常とのかかわりや、商品の価値を新たな切り口で描いた作品に出会うことができました。
これらの作品は、改めて私たちの理念を振り返る機会となったと同時に大きな財産になりました。応募者の皆さまに改めてお礼申し上げます。
アースグループの経営理念は「生命と暮らしに寄り添い、地球との共生を実現する。」です。私たちを取り巻く社会(=世界)との”共生”を実現するために大切なのは、信頼関係を結ぶことにあると考えています。
この信頼関係は簡単にできるものではありません。ゆっくりと時間をかけてお互いの心に芽生えてくるものだと思います。美知が出会った3人の通勤電車の”友だち”も、きっかけは違えども3年間の通勤電車でのふれあいから生まれた関係といえます。
そして、この物語で未知が最後にみせた成長の姿は、私たちの目指す企業のあり方なのではないかと感じられました。
それは、決して自分だけ良ければ良いと考えるのではなく、受けたやさしさに感謝し、その気持ちをリレーのようにつなげていくことが新たな信頼関係を結んでいくという事です。
私たち企業も、社会との様々なかかわりの中で存在しており、感謝の気持ちをもって、自分たちらしく出来ることを精いっぱい務めることが社会への貢献となると同時に信頼につながっていくものだと考えています。
相手を思いやる優しい気持ちが未来に向けて広がっていく、心温まる物語でした。