ブックショートでは、原作ごとに優秀作品を紹介していきます。
今回は、『鶴の恩返し』特集。多くの二次創作のご応募がありました。
「部屋のなかを絶対に覗いてはいけません……」
ある日、私の娘と名乗る女から電話があった。妊娠してはいけない人の子が出来てしまい、お金が必要ということだった。私に娘はいないし、結婚したこともない。こんなとき、振り込むバカなどいるのだろうか、俺以外に。
ある雪の夜、喫茶店で待ち合わせをしていたのは高校時代の同級生で三十代半ばの女たち。一人目は秘書、二人目はバリスタ、そして四人の子持ちである三人目。先に到着した秘書とバリスタは『鶴の恩返し』の謎かけを始める。
「そういえば『もし救急車で運ばれるようなことあったら、勝負下着に着替える』って言っていたよね。救急隊員が男前かもしれないから。」祖母は口ベタで、だったけれど、誰からも好かれて頼られていた。豪快な人だった。
青年は帰宅途中、罠にかかった鶴を見つけ、助けた。そして家路を急ぐ。すると、また鶴が。再び助けてあげる青年。しばらく歩く。さらに鶴が…青年は罠を解く。吹雪となったその夜、彼の家を訪ねてきたのは…