コラム

『クリスマス時期に本について考えていたら』

 

ということで、日本の名作文学の英訳タイトルを調べて、付け方をジャンル分けしてみました。

 

①そのままローマ字系

 

 

『こころ』(夏目漱石)→『Kokoro』/『坊っちゃん』(夏目漱石)→『Botchan』

『古事記』→『The Kojiki』/『怪談』(小泉八雲)『Kwaidan』/ 『羅生門』(芥川龍之介)→『Rashomon』・・・など

 

『坊っちゃん』が『Botchan』ならば星新一さんの『ボッコちゃん』はどうなんだと調べてみましたら、『Bokko-chan』のようでした。

 

②直訳系

 

 

『金閣寺』(三島由紀夫)→「The Temple of the Golden Pavilion」/『雪国』(川端康成)→『Snow Country』/『遠野物語』(柳田國男)『The Legends of Tono』/『小僧の神様』(志賀直哉)→『The Shopboy’s God』/『砂の女』(安部公房)→『The Woman in the Dunes』 / 『枕草子』→『The Pillow Book』/『藪の中』→『in a Groove』・・・など

 

ちなみに、『舞姫』(森鴎外)と『伊豆踊り子』(川端康成)はそれぞれ、『The Dancing Girl』、『The Dancing Girl of Izu』とそっくりなタイトルです。

 

③登場人物にまつわる系

 

 

『細雪』(谷崎潤一郎)→『The Makioka Sisters』/『痴人の愛』(谷崎潤一郎)→『Naomi』/『博士の愛した数式』(小川洋子)→『The Housekeeper and the Professor』/『忠臣蔵』→『47 Ronin』 / 『センセイの鞄』(川上弘美)→『The Briefcase』・・・など

 

谷崎潤一郎の二作品は、いずれも登場人物の名前をタイトルにしています。(“蒔岡姉妹”、“ナオミ”)。また、『47 Ronin』や『The Housekeeper and the Professor』は、登場人物の職業を表現したもの。『The Briefcase』は登場人物の持つ印象的なアイテムをタイトルにしています。

個人的にはこのパターンが一番おしゃれな印象を受けました。翻訳物は訳者の知識やセンスが問われるので、比べてみると面白いですね。

 

 

では、最後に問題です。

『No Longer Human』と英訳されている有名な小説は何でしょうか??

 

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