ブックショートでは、原作ごとに優秀作品を紹介していきます。
今回は、『シンデレラ』特集。様々な二次創作のシンデレラ・ストーリーをお読みいただけます。
シンデレラの婚礼のあと継母と継姉は都を離れ、隠れるように暮らしはじめた。人々は彼女らに罵詈雑言と石を投げつけ、財産の半分が没収された。半分で済んだのはシンデレラのとりなしがあったからと言われている。―父親は?
髪の長い、キレイな女性だったと思います。見たことの無い人でした。ぼくは彼女と目が合ったのですが、夢を見たのかと思いました。なぜなら、不可能だからです。そのときの彼女は、猛スピードで落下していたはず、だからです。
人間の欲望はあらゆるものを実現可能にする力を持っている。昔と同じ姿をしていても、それは必ずしも同じではない。科学の発達は人間の寿命まで奪ってしまった。こんな時代だから人間はずっと死ぬまで疲れていなくちゃいけない。
年老いたお義母さんと同居するチカ子。彼女は毎日同じ時刻に通帳が無くなったと騒ぎ立て、チカ子を犯人扱いする。医者のアドバイスで散歩をすることになったお義母さんは、チカ子の新品の靴で足を踏み出す。
“魔女の部屋”で買ったガラスの靴を履き、割れた破片で足が血まみれになった女子高生。小柄な彼女の体重は80キロオーバーだ。金を返せと怒鳴り込むも、“魔女”の方が何枚も上手だった。
原因不明の不眠症に悩まされる大学助教の光太郎は、絵本の読み聞かせボランティアをしていた。ある夜、子ども達のなかに見慣れない少女を見つけ、優しい声を掛ける。帰り道でも出会ったその子が口にしたのは、思いがけないことだった。
「マジなに?」私はシンデレラにタバコを一本差し出した。シンデレラは何も言わずそれを口にくわえ私が傍に置いたライターをすばやく取り上げ慣れた手つきでタバコを吸いゆっくりと煙を吐いた。「だから、マジなに?」
むかしむかし、「シンデレラ」と呼ばれる美しい新入社員が、月間100時間以上の残業を強いられるブラック広告代理店で、意地悪な先輩社員たちとエンゲージメントを構築できずに働いていました。そんなある日…