小説

『お伽創始』繁光(『お伽草紙』太宰治『こぶとりじいさん』『浦島太郎』『カチカチ山』『舌切り雀』『桃太郎』)

 あるとき、
 人の言葉を話すタヌキが、畑を荒らすため、
 おじいさんは、仕方なくそのタヌキをワナにかける。
 捕えられたタヌキは、そこから逃げる際、
 おばあさんにケガをさせてしまう。
 そこに人の言葉を話すウサギが現れて
 おじいさんとおばあさんに代わって復讐すると言い放つ。

 それ以降は、
 おじいさんとおばあさんは登場せず、
 ウサギがタヌキを化かす話へと変わっていく。

 初めは、カチカチ山と偽りタヌキに火傷を負わせ
 次に、薬と偽りその火傷に辛子をぬりこみ
 最後は、泥の舟でタヌキを沈めた。
 ドンドン トケル ドロノフネ
 ドンドン トケル ドロノフネ
 タヌキハ フカイ ウミノソコ

 話が終わっても、父はシェルターの扉を離さない。
 いつもは、3話ぐらいで終わるのだが、
 どうも、様子がおかしいらしい。
 まあ、3話終わったといっても
 1話目が途中で終わったわけだが。

 
4.舌切り雀
 ムカシ ムカシノ オハナシヨ
 ヤマオクニ スム オジイサン
 イッショニクラス オバアサン
 アルヒ タヌキガ ヤッテキテ
 むかしむかし、あるところに、
 おじいさんとおばあさんが暮らしていた。

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