でも、トイレの平田さんは失脚したわけでも、滅びたわけでもなく、元気にカムバックした。彼の繁栄のピークが、小学校のトイレ掃除係でなくてよかったと思う。ピークなんてあるのかな。人はいつか死ぬけども、平田さんはずっと平田さんであるような気がする。トイレとともにあろうと、離れていようと。
「あっ」
ちょっとおしっこが飛びすぎて、便器から外れた。僕は個室からトイレットペーパーを持ってきて、飛び散ったそれを拭く。僕の粗相でトイレの平田さんに迷惑が掛からないように。
僕は満足して、丸まったトイレットペーパーを大便器に流した。
その後給食で、愛しの本田マリの分まで牛乳を一気飲みし、腹を下してトイレに立てこもった加藤の有様、心も詞も及ばれね。