お爺さんがすぐ側で立ち止まった気配を肌で感じる。
頭を下に向けているので、汗がつむじへと滴る。
「切ってみるか」
鉈を取り出す音が聞こえる。
血が頭に上ってきた。
どうか。
振りかぶる気配を感じ、目を閉じた。
次の瞬間、瞼を光が照らし、全身で風を浴びて汗が一気に引いた。
この世界に生まれた。
「おお」
お爺さんの感嘆の声を聞き、恐る恐る目を開ける。
結果が怖くて、下を向くことができない。
驚いているお爺さんと目が合い、竹の中から取り上げられた。
そして、太陽に向けて抱え上げて、全身を確認された。
その視線が股間を通過したことが分かった。
どうなんだ。
じっとお爺さんを見つめる。
何と言うのだ。
お爺さん。
早く言ってくれよ。
お爺さんは笑みを浮かべた。
「何と美しい女の子だ」
私は泣いた。