ツイート 「…ほら、その花みたいにだよ。」 そうして、旅人は老人の持つ野ばらを指さしました。 老人は、それを見ると少しだけ目を細めてから、助手席から宇宙船の下を覗きこみ見ました。そうして、老人は一言つぶやきました。 「いいや、あそこの花より美しい花は知らんよ…。」 野ばらは、石碑の周りで確かに枯れておりました。 しかし、老人にとってその花は、この星にある花のどれよりも、美しく見えたのです…。 12/12 前のページ 2月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12