ツイート 彼女はそれを読んでも、何の感慨も湧きませんでした。彼はとうに、遠い過去の存在でした。それでも、あのとき……あの男に助けられてから、あの男の本性を知って幻滅するまでの間は……確かに、あの男を愛していたのでした。 「クエッ?」 ――ママ、どうかした? 子鶴は、遠い目をしている母鶴に気づきました。 彼女は微笑み、なんでもないわ、と答えました。 13/13 前のページ 10月期優秀作品一覧 HOME 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13