小説

『怪物さん』大前粟生(メアリー・シェリー『フランケンシュタイン』)

――でも、戻ってこられた。
 はい。ありがたいことに、映画に出てくれ、アニメに出てくれ、ハロウィンにきてくれイベントに出てくれ、という風に需要があったんです。だれかから求められることが、単純に気持ちよかったんですね。
――いったんお知らせを挟んで「人生は一期一会」まだまだ続きます。

――えええ、ほんとにー。いやそんなバカあだってそんなあなた。あ、CM開けていました。土曜日の午後いかがお過ごしでしょうか。最近肌寒いですよね。わたしって冷え性じゃないですか。だからいつもカバンのなかにカイロを入れているんですけど。この前家を出るとき夫に、ちょっとあなたカバンとってよ、っていったら夫は、いやだ、お前のカバンは熱い、火を吐くドラゴンみたいでたまらん、なんていうんです。それからはわたし、へそくりをカバンのなかに入れてるんです。あっ、いっちゃった。みなさんこんにちは。北条院時子です。「人生はいつも一期一会」、今日のゲストはご存じ怪物さんです。怪物さんこんにちは。
 こんにちは。
――さて、「人生は一期一会」では、番組ホームページとツイッターで、視聴者のみなさんから怪物さんへの質問を募集しました。
 お手柔らかにお願いします。
――あ、まさに今この瞬間にも、続々とツイートが寄せられています。あ、これなんかわたしも聞きたいですね。ばいろん @Villa Diodadi さんからのツイートです。

  怪物さんは数々のゴシック作品、ホラー作品に出演してきて、たくさんのモンスター系の人と会いましたよね。だれと一番仲がいいですか。

 そうですね。うーん。吸血鬼さんですかね。同じ日に同じ屋敷のなかでわたしたちの着想が生まれたわけですから。もっとも、吸血鬼さんはそれ以前に伝説として知られていましたが。
――今度はメールです。22歳女性の方から。

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