毎週出版されるたくさんの本のなかからブックショート厳選のおすすめ本を、文芸書中心に紹介していきます。 ※毎週月曜日更新。
文藝春秋 / 1,200円(税別)
「早う死にたか」
毎日のようにぼやく祖父の願いをかなえてあげようと、ともに暮らす孫の健斗は、ある計画を思いつく。
日々の筋トレ、転職活動。
肉体も生活も再構築中の青年の心は、衰えゆく生の隣で次第に変化して……。
閉塞感の中に可笑しみ漂う、新しい家族小説の誕生!
東京創元社 / 1,700円(税別)
『さよなら妖精』から十年のときを経て、高校生だった太刀洗万智は、異邦でふたたび大事件に遭遇する。絶賛を浴びた『満願』をも超える、現在最注目の著者の最新最高傑作!
新潮社 / 1,400円(税別)
妻は少し考えた後に、鉛筆を走らせる。――紙に書いたことも、屹度、言葉でせう。その日に死んでしまふ気がするのです――。昭和十六年、青森。凜太はTBを患い隔離病棟で療養する妻を足繁く見舞っている。しかし病状は悪化、ついには喉の安静のため、若い夫婦は会話を禁じられてしまう。静かに蝕まれる命と濃密で静謐な時。『指の骨』で新潮新人賞を受賞した大注目作家のデビュー第二作。芥川賞候補作。
祥伝社 / 1,500円(税別)
「高校生のとき恋人に監禁されたことがあるの――」 法科大学院生の笠井修吾は同級生の館林景織子(きょうこ)に、衝撃の過去を告白される。いまでもその彼らしき人物から執拗なメールが届くと怯える景織子を修吾は守ると誓った。交際を始めた二人だったが幸せな日々は突然終わりを告げる。元彼の高橋が景織子の弟に暴行を働き、彼女を連れ去ったのだ。だが実は、景織子は自ら高橋の車に乗り込んでいた。なぜ彼女はストーカーまがいの男と行動をともにするのか? 彼女の真意とは? 東京から日本最南端の島・波照間島へ、修吾は彼らを追うが……。著者が初めて挑む究極の恋愛サスペンス!
KADOKAWA / 1,200円(税別)
太平洋戦争さなか、幼くして母を亡くしたイコは新しい母親になじめぬまま、生まれたばかりの弟と三人で千葉の小さな村に疎開することに。
家のそばにある、暗く大きな森の中で脱走兵が自殺した噂を耳にする。
耐え難い孤独感と飢餓感はトンネルの森のように覆いかぶさり、押しつぶされそうになった時、イコは兵隊の影を追いかけ森に入るが……。戦後70年にふさわしい、角野栄子の実体験から生まれた傑作ファンタジー!
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*本の紹介文は、出版社のWEBサイトなどからの抜粋です。