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​2014年度ブックショート大賞作品を原作としたショートフィルム「HANA」。6月のショートショート フィルムフェスティバル & アジアでの公開に向け、「HANA」世代のSNSクリエイターに集合いただき座談会を開催しました。それぞれが抱えるコンプレックスやそれとの向き合い方などについて、ポップに楽しく語っていただいています。​

大関れいか

日本一のVineフォロワーを持つ19歳。Vineでの人気で一躍有名人となり、映画「私たちのハァハァ」の主演に大抜擢!人気番組「今夜くらべてみました」など多数のテレビ番組に出演。大手アパレル企業のCMのナレーターにも起用され、多方面で活躍するスーパーガール。Vineを始めたきっかけはなんと「暇だったから。」彼女が暇じゃなければ、今の中高生はこんなにもHappyではなかったのかもしれない。
■twitter[大関れいか]

Red Joker

演技力抜群の現役高校生クリエイター。音楽やダンス動画で人気を博し、中高生から絶大な支持を得る。フィリピンと日本のハーフ。Dubstepをはじめ、幅広いジャンルのダンスが得意。モデルのようなスラっとした体型から生み出されるクールなダンスは見る人を魅了させる。演じるキャラは、少年のようなあどけない一面も見ることでき、見る者を飽きさせない。卓越した撮影技術を持ち、長尺の映像作品も得意。映画監督を目指しており、Vineに限らず様々な映像媒体で作品を発信中。
■twitter[Red Joker]

り卍卍卍

小動物系のカワイイ女子高生クリエイター。しかし不条理な世界観で作る動画のテイストは見た目からは想像できない。中学校3年間は剣道部で、部長を務め、武闘派という一面もあり、さらなるギャップを生む。ちなみにポムポムプリンが大好き。
■twitter[り卍卍卍]

おきく

キュートな見た目からは想像もつかない衝撃度の高い作品で、そのギャップが人気となった女性クリエイター。ダンスは全国大会に出場経験もあるほどキレキレで、躍動感ある動画も人気。静かな高校生活を送っていたが、Vineをキッカケに本当の自分を表現できるようになり、多くの人脈を得る。
■twitter[おきく]

Sara

19歳のモデル/動画クリエイター。イラン×日本のハーフ。動画作品ではコメディからシリアスまで様々な役を演じる演技派。明るいキャラクターが同世代の女性から支持を得ており、ダンスや歌などマルチな才能をもつ女性クリエイター。
■twitter[Sara]


「HANA」の原作を読んだ感想をお願いします。

Red Joker:僕は映像を撮ったりするので、自分の頭の中で映像化しながら「HANA」の脚本を読みました。面白かったですね。おっぱいを題材にしているので話題になりそうですし。

Sara:私も面白かったです。最初、まさかおっぱいの話だとは思わなかったから。オチが、「まさかの!」みたいな。予想だにできない感じで……。

大関:ちょこちょこリアルじゃない?

Sara:本当にザ・女子高生の会話みたいだった。スーッと頭の中に入ってきた。

おきく:私は芥川龍之介の「鼻」を学校の授業で読んでいて、ちょっと堅苦しいイメージを持っていたんですけど、「HANA」はおっぱいが……っていうのがとっても斬新でした。

り卍卍卍:胸の話は、女子は気になるじゃないですか。私は、このお話を自分の友達や身近な人に当てはめて想像しながら読むことができたので、すごい面白かったです。


-胸の話は学校でします?

おきく:めっちゃします。私は太っているので、自分で言うのもなんなんですけどちょっと大きいんですね(笑)。貧乳の子にすごく「いいなぁ、くれよー」って言われます。でも、大きかったら大きかったで大変。パツパツのTシャツを着ると牛みたいになっちゃうし(笑)。それは嫌。

大関:だからダボダボした服ばっか着るの?

おきく:そう。だから、よくそこで討論をしています。貧乳対巨乳で。

大関:それはありますね。貧乳対巨乳。結論は出ないんですけど、ひたすらに、うらやましいっていうのをお互いに話して盛り上がるだけっていう。大きいと肩が凝るから貧乳のほうがいいみたいな話が出れば、貧乳の人は、肩凝ってでも大きくなりたい! って。

おきく:ああいえばこういうみたいな。結論は出ないので、最終的に男子に「どっちがいいの?」って聞きます(笑)。

Red Joker:男子同士でもたまに討論しますね。僕の周りだとでかいほうがいいねっていう方が多い。僕は、どちらかというとお尻が好きです(笑)。


-コンプレックスはありますか?

大関:私、外見は歯並び以外全部なんですけど、内面でいうと、頑固なところを直したい。彼氏がいるんですけど、彼氏も相当頑固で、頑固同士だからどっちも譲らない。だからぶつかることが多いんで。

おきく:私は、「こうしたいな、こうなりたいな」っていう願望はあるんですけど、結局自分に甘いから行動しないで、ずっとダラダラしてしまうことがコンプレックスかな。彼氏欲しいと思っても、努力してかわいくなろうとかまではならないし、痩せたいなって思うけど、「ジム行く」って言ったまま二ヶ月くらい行ってないし。そういうのは大学生になったので、直したいところですね。

り卍卍卍:私は、下半身が太っていること。骨が太くて……。どんなに痩せても見た目に反映されないんですよ。すごいコンプレックスです。もしハナが飲んだ胸が大きくなる薬みたいに下半身が痩せる薬があったら、飲んで美貌を手に入れたい。

大関:うんうん。

り卍卍卍:あとは、他人の目がすごく気になって消極的なんです、私。小中学生の時いじめに遭っていて。みんなから一人では何もできないと思われていたので、一人でもできるんだぞってところを見せたくてvineを始めました。今の友達にはあんまりvineの話をしないんですけど、友達に「あなたが友達なのが自慢なのよ」って言ってもらえて……。すごく嬉しかった。

大関:たしかにそういうきっかけでvineを始める人って多いよね。私もこう見えても小学生のときいじめられてた。

Red Joker:俺も俺も。


大関:そういう人たちを見返してやりたいって気持ちがどこかにあるんでしょうね。多いんですよ、vineやってる人で。

Sara:私はハーフなので、小中学生の頃は外見でよくいじめられました。もともとアフロみたいなくるくるの天然パーマで、眉毛も太かったから。両津勘吉って言われたり。今は、縮毛矯正でストレートにして、眉毛も太いのが流行ってるからいいんだけど。地元の茨城に住んでた当時は、外を歩いているだけでみんながすごい見るんですよ。外人、外人って。だから、昔は自分がハーフなのがすごい嫌だった。

大関:茨城には東京みたいに外国人たくさんいないからよけい目立ったんだろうね。

Sara:うん。でも、中学生の後半くらいからどんどん自分が出せるようになってきました。あるとき、ハーフってなんかかっこいいんじゃないって自分で思えるようになって。周りにもかっこいいと言ってくれる人が増えて、自信が出てきた。

Red Joker:僕の外見的なコンプレックスは、おでこが広いことですね。だから前髪で隠しています。中学の時に可愛い子に、「おでこ広いね」って言われて、そこから伸ばし始めましたね。前髪を垂らしていると、人見知りの人がマスクをつけるとよく喋れるみたいな感じで、少し自信が出てくるんです。

おきく:私は逆におでこが狭いのがコンプレックスだから、中学一年生くらいからずっと前髪パッツンにして隠してます。中一の頃、おでこ出していたら男子に、「眉毛太いし、おでこ狭いし、顔が窮屈そうだね」って言われて(笑)。


-自分の周りに、ハナのようにコンプレックスを解消した子がいたらどう思いますか?

大関:嫉妬かな。あんな地味であんな太ってた子が、なんであんなに綺麗になって、彼氏までできて、羨ましいなっていう。そこでの女の子あるあるは、わざと悪い方向に持っていく人の存在。たとえば、天パだった子が縮毛矯正かけてすごく綺麗になって、周りからチヤホヤされていたら、それに嫉妬して、「前の方がかわいかったよ」って思ってもいないこと言うとか。

Sara:あったあった。

おきく:悪い方向に持って行きたがる人はいますね。それが一番怖い。

り卍卍卍:うんうん。

-もともと美人だった娘への嫉妬と、コンプレックスを克服して綺麗になったハナのような娘への嫉妬は違う?

Sara:ギャップのせいかな。美人はもともと美人だから。

-追い抜かれたっていう感覚?もともとは同じくらいか勝ってたと思っていたのに。

大関:そういうのはありますよね。私の方がvineのフォロワーが5万人多かったのに、今はもう抜かれたみたいなのは、より悔しいよね。

おきく:自分より元々から多かった人がもっと伸びるより、自分より下だった人がちょっと伸びるほうが「あーっ」てなりますよね。

Sara:わかります。

り卍卍卍:うんうん。

おきく:そういえば、前は私と同じくらいのフォロワー数で、今は私より全然少ない人に、「いいなぁ、運が良かったから伸びたんだね」って言われて……。それも結局嫉妬からですよね。褒めてるようで超ディスってくるみたいな。

大関:ひどいけど、この世界そういうこといっぱいあるよね。気にしすぎてもしょうがない。

-「HANA」のショートフィルムにどんなことを期待しますか?

大関:単純にQカップってどれくらいだろうなって(笑)。

り卍卍卍:胸を何で作るのかが気になります(笑)。

おきく:エロいのか、ただたんにデカいのか(笑)。

Red Joker:僕は、どういうアングルでどういう構成でもってくるのかとか、興味津々です。vineやり始めてからずっとそういう目線で見ちゃうんで。

おきく:女子高生の会話とかすごいリアルな感じになりそう。「桐島、部活やめるってよ」とかとても好きだったので、ハナのグループならではのリアルを観るのが楽しみ。しかも「ハナ」は途中で、四人の関係値が変わるから。

Sara:私もとにかく楽しみです。

-本日はありがとうございました! ショートフィルム『HANA』は、6月に開催するShort Shorts Film Festival & Asiaで公開予定です。乞うご期待!

(2016.4.5)

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