11月期優秀作品発表
ARUHIアワード11月期にご応募いただいた作品の中から選ばれた優秀作品16作品です。
『どうでもいいような嘘をついてしまう』
もりまりこ
(②新しい生活)
どうして光と書いてあきらと読ませる名前を両親がつけてしまったんだろうと光は思う。じぶんがあきらじゃなかったら、須賀滉と8年も付き合うことはなかったかもしれないと。近頃、光は彼にどうでもいいような嘘をついてしまうことに気づいていた。大きな嘘よりもそんな嘘の方が罪深いのに。
『家族ルール』
小山ラム子
(③マイホーム)
高校生の咲には中学生の妹の花がいる。両親とはそこそこ仲のいい咲にくらべて、花はうまくいっていない。そんな花をなんとかしようと母親が「家族ルールをつくろう」と言い出す。母親は次々とルールを決めていくが花の態度は一向に直らずにむしろ悪くなっていく一方だった。
『オハナミ』
松本侑子
(①大切な「ある日」)
ゆこさんは小さいころから好きだったゆう君のお嫁さん。田舎の小さな町に暮らしている。特別なことは何にもない毎日だけど、そんな日常がゆこさんは好き。ゆう君とおばあちゃんと過ごせる日常が好き。そんなお話。季節は鮮やかに移り変わる夏から秋。
『ばあちゃんと檸檬の木』
住田修
(①大切な「ある日」)
祖母と孫の物語。普段は厳しく鬼だと言われている祖母の本当の姿を発見した孫の大切なある日の物語です。
『僕の“ある日”』
じゅんざぶろう
(①大切な「ある日」)
『これまでの人生で初めての経験をした“ある日”。そんな初めての“ある日”の積み重ねが自分を構築している。同じ時間を生きることはできない人間、つまり毎日が初めての“ある日”なわけで。ただ記憶に残っている“ある日”はたいしたことのない日だった。そんな“ある日”を散りばめてみました』
『三日坊主の上にも三年』
藤田さいか
(①大切な「ある日」)
無気力な大学生活をおくるうちに、駅のトイレは綺麗になり、後輩は大会に優勝し、私は二十歳になった。何もしていなくても時間は勝手に経つものだ。しかしユキと宅飲みをしているうちに、かつての同級生が今、何かに必死になっていることを知る―私はどうしたら凄いやつになれるんだろう。
『スパーキーガール』
洗い熊Q
(③マイホーム)
一念発起して念願だった人が集まるアットホームな喫茶店をオープンした貴之。しかしいつも店は閑古鳥。そこで恋人の由香里も一念発起するのだ。