<第12回ブックショート アワード 大賞受賞作品>
『物語の生まれる場所』浜矢 スバル
大賞作品選評:
岩手県遠野市は、日本古来の民間伝承や妖怪譚が伝わる地ー。
まさにこの作品のタイトルにある通り「物語の生まれる場所」です。
本作は、不思議で神秘的な出来事を描きながらも、それ自体を強く主張するのではなく、静かに日常の中へ溶け込ませている点に、日本ならではの奥ゆかしさと美意識すら感じます。
また、会話の運び、比喩表現、情景描写に至る非常に丁寧な構築からは、遠野の空気感すら感じ、まるで一本の映画を観終えたかのような豊かな読後感を残しました。
土地に根ざした信仰や記憶を物語の根幹に据えながら、「老い」「祈り」「継承」といった普遍的なテーマを、一人の老婆とその周囲を通して繊細に描き出した点が高く評価されました。
<受賞者プロフィール>

浜矢 スバル
文筆の経歴
平成二九年 北の文学 七四号、優秀賞(岩手日報社)
平成三〇年 北の文学、七六号、入選(岩手日報社)
平成三〇年、翡翠文学賞、最終選考(糸魚川市)
令和元年 さきがけ文学賞、受賞(秋田魁新報社)
令和元年 第17回 ミステリーズ新人賞 最終選考(東京創元社)
令和二年 岩手県馬事文化賞受賞(岩手県競馬組合)
令和二年 第二回ⅱⅴクリエイターアワード 選考委員奨励賞 受賞(カドカワ)令和二年 第19回 内田康夫ミステリー文学賞 最終選考(東京都北区)令和三年 小説「ヘビ、ハチ、ムカデは秘宝を隠す」出版(カドカワ)
令和四年 佐々木喜善賞 小説部門 受賞(遠野市)



