小説

『白雪』南りり(『白雪姫』)

「ぼうぼう、ぼうぼう。」私は言う。部屋にいる全ての過去の愛人に訴える。外の雪だって消してやる。

「火事だ!!!!!!」七人の声がばらばら聞こえる。

 私は、白雪姫も、七人の小人も、すべて焼き尽くす炎。お妃の嫉妬までも灰にする者。すべての有機物の消滅を助け、空気と共謀する熱情。


 もちろん、王様は、何一つ知りませんでしたとさ。

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