小説

『まんじゅう二十個食べる、めっちゃ怖い』ノリ・ケンゾウ【「20」にまつわる物語】(『饅頭こわい』)

 最後のまんじゅうに手を伸ばす。五人それぞれ、お互いの顔を見ながら、口に入れて食す。最後のまんじゅうは格別だった。今までに食べたことのない至高の味がした。よかった。ここへ来て、まんじゅうを食べられて。ようやく密室からも解放されるのだ。笑いがこみあげてくる。私以外の四人も、皆笑っている。五人全員で、達成感を味わうかのように、大声で笑っている。さあ、帰ろう。家に帰るのだ。楽しくなって、私は笑いが止まらなくなる。腹がいたくなるくらい笑い転げているうちに、文字通り椅子からも転げ落ちてしまった。それでも笑いが止まらなくて、私はその場に倒れ込んだまま起き上がれなくなる。密室の出入り口のドアが開いたようだ。垂直に傾いた視界の中で、四人が無事に密室の外へ出て行くのを、笑顔の私が見つめている。

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