小説

『拝啓、20歳の私へ』公乃まつり【「20」にまつわる物語】

 ファーストペンギン、という言葉が私の心にサクっと刺さった。気持ちいいほどすんなりと。痛いような痒いような、気持ちよさがある刺さり方だった。
 私は今、ファーストペンギンになろうとしているのかもしれない。誰もやっていない事、それでいて新しい学びがあるのが楽しくて、けれども攻撃もされる。反感が今、私を刺している。

 今日の記事はここまでだった。
 続きが気になった私は、お気に入り登録をしてサイトを閉じた。

 
 企画の準備に追われる毎日は、チクチクとした視線が刺さる毎日でもあった。それでも更新されるブログに綴られた言葉に、私は救われた。

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『自分が住んだ事のない地域に住んだ事がある友達をたくさん作ってください』
同じ文化圏の中の人達だけで話していると、自分の中での当たり前が板について、考え方を変える事が難しくなってきます。
人と人、というのは同じ種類の生き物のはずなのに、水と油のようにはじき合うような関係です。
けれども、一生懸命混ぜ続ければ油が細かくなって水と解け合ったかのようになるのと同じように、人と人同士も、根気づよく話し合いや付き合いを続けていると、どんなに違う文化を持った者同士であっても、理解し合える状態がやってきます。
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『20歳はまだまだひよっこ、と思わないでどんどん自立への道を歩んでください』
大人は言います。青二才のくせに、とか。まだまだ若いんだから、とか。
確かに比べれば若いです。青二才だと思って謙虚に過ごす事が大事なときももちろんあります。
けれども、もう20歳だ。と思う心も50パーセントは少なくとも持ってください。それがあなたが自立する心を育てます。
自立とは、誰かや何かに依存する事なく、自分で考えて行動する力、だと未来の私は考えています。
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物事はできるか、できないかではなく、やるか、やらないか、です。できるようにするためにはどうしたらいいか、を常に考えましょう。
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