小説

『二十年後、変わらないもの』ウダ・タマキ【「20」にまつわる物語】

 僕達は、何もかも忘れて心のそこから笑った。
 やがて、夕陽が滝を照らし始めた。光を受け、キラキラと輝く滝は言葉を失うほどに美しかった。

 それから、僕達はいろいろな話をした。
 僕達の間に二十年の月日など関係なかった。移りゆく時代の中、この村、そして、康太と過ごす時間は、二十年前と何一つ変わらない気がした。

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11