小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

兄妹は、それが確りと、分かりました。
おしまい。

まぁ、こんなストーリー展開だよね。
面白いよ。
へー、君から、そんな感想がさ。
何だよ?
ほら、改めて言うこともないけど。
じゃー言うな、そう言いそうだろ俺ならさ。
はははは、自分を把握してるんだね、結構さ。
笑う事もないと思うよ。
ああすまない、すまない。
ここで、改めて言うけど。
改めて言う?
現実という事象、これに生まれ変わった俺。
幻想という事象、これに生まれ変わった君。
違うけど同じ、こういう関係だろ?
ああそうだね、不分離だと思うけどねぇ。
だったら、さ。
だつたら?
青い鳥のこともね。
青い鳥のことも?
面白いって、感想がさ。
それが、どうかしたかい?
意外だった。
えーっ、意外だった?
そう、意外だったよ。
何で?
俺の感想はさ、面白くない、だも。
だのにさ、君の感想、違うだろ。
そうかー。
ああ、そうなのさ。
でもどうしてさ、面白くない、なの?
だってさ、俺はさ、現実だよ。
君は、幻想だよね。
最近は、その垣根に、疑問とかね。
ああ耳にしてるよ。
人間たちがさ、日常とか言う中でさ。
目にしている、事柄とか。
事物事象とかかい?
まぁ、表現色々だけど、それはいいのさ。
とにかく、目にして、これが現実だってさ。
あまり疑う事もなく、ね、それさ。

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