小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

おやおや、幻想ときなすったかい。
まぁ、これもピッタリで、ないかなぁ?

チルチルとミチルの兄妹は。
青い鳥を探す、旅に。
はじめに、思い出の国に。
そこに、死んだ、おじいさんとおばあさんが。
大好きな二人ですが。
どうして? 死んだはずだよ?
ははははは、そうか不思議かい?
うん!
簡単さ、心の中で、思い出してくれるなら。
いつだって、会うことが出来るんだよ。
そうか、いつでも会えるんだ! やったー!
おじいさんが、教えてくれました。
そして、ここに青い鳥がいることも。
でも、なんと折角の青い鳥は、黒い鳥に。
この思い出の国を、出た途端にです。

これ、感動的だなぁ。
ほー、君が感動かい?
君さー、俺を誤解してるようだね。
誤解かなぁ?
君は、このシーン、感動とかしない?
うーん、感動ねぇ。
そう、このシーン。
人によると思うよ。
人による?
そう、おじいさんと、おばあさん、とのさ。
ほら、生きていた時の、関係とかさ。
なんとなく、なんとなくだよ、分かるような。
多分、分かってないと思うよ。
おやおや、なんでだい?

そして、病気とか戦争とかの。
夜の御殿や、贅沢の御殿に。
やがて、赤ちゃんがいる、未来の国へ。
御殿も、未来の国にも。
青い鳥は、いました。
でも、なんと持ち帰ろうとすると。
青い鳥では、なくなってしまいました。

持ち帰る!
どうしたんだい? 急にさ。
持ち帰る、これさ!

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