小説

『青い鳥』多田正太郎(『青い鳥』)

青い鳥って、いるの?
いる。
えー、いるんだー。
ああ、いるのさ。

バタバタ、バタバタ。
あつ、飛んで行ったよ!
本当に、今度はさ。
青い鳥が・・。
この話の、依頼された、リメイク話。
部屋に閉じこもり、考え続けた。
全然、書き進まない。
まぎれもない現実、これがさ。
えっ現実?
ああ、まぎれもないね。
言い切っていいの?
うっ、分からんがさ。

お決まりの、昔々から始まる、この話。
そして、ある所に。
貧乏な家庭の、子供が二人。
チルチルとミチル兄妹だ。
明日は、クリスマス、そんな夜に。
魔法使いの、おばあさんが、現れた。
そして、病気の孫のために。
幸せの青い鳥を。
見つけてきておくれ、と言った。
約束する兄妹、何のためらいもなく。

こんなやり取りは、現実には。
あり得ないでしょー。
ちょっと、いいかい、現実?
おやおや、話きいてないと思ってたよ。
ああ、そうかもね。
自覚してるんだ。
うんまぁ、自覚って言うより。
自覚って言うより?
うーん、まぁそれはさ、どうでもいいよ。
そんなことより、現実。
それってさー、幻想かなぁ。

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