小説

『キャッチコピー』多田正太郎(『童謡・冬の星座』文部省唱歌)

現実の話だぜ。
現実の話!
ああ、つい最近発見の目と鼻の先の惑星さ。
生命の可能性を秘めた星だとさ。

この会話、どっかの星で耳にしたような。
そんな会話が、収集された。
その中に、最も注目の同じ単語。
物語。
さらに収集された情報から。
我々の星を、グリーゼ832cとか。
そんなネーミングで。
自分たちの星を、地球。
そして、ホモ・サピエンス。
こう自称している、生き物。
なんだか、生意気ポイ、そんな感じもする。
そんな生き物だけど。
物語。
しっかりと、我々と共通の価値観。
それを持っている、そんな面もあるようだ。

おお、おお、思いついたぞ!
そりゃー、すげーなぁ。

宇宙で出会った生命体、困惑の後に、物語!
物語、宇宙生命体の共通語!

ほー、なかなかだよ。
そうか、我々キャッチコピー。
物語。
これが消えない限り。
宇宙生命体同士の、よ。
星座はめぐる。
そんな事態の中でも、生き残れそうだな。

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