小説

『キャッチコピー』多田正太郎(『童謡・冬の星座』文部省唱歌)

でもよ。
でも?

汚すのか、命のたった一つの源、この星を!
この星が、生命の唯一の源、忘れるな!
だめだよ、この星の消滅は、生命の消滅!
命・・。

分かった、分かった! もういいよ。
俺たちキャッチコピー。
この分野に、よ、特化してるからなぁ。
そうかぁ、お払い箱かもなぁ。
ああ。
うっ、まてまて、でもよ。
おっ、でもだと、何だよ?
なんか、期待みたいの、感じちゃうなぁ。
そうよ、謳い文句、煽り文句は、な。
それ、俺たちの、命だろ。
ああ、これは不滅よ!
おお、そうか!
事態にあう、謳い文句、煽り文句。
そんな、キャッチコピーに、よ!

それから、間もなく。
この星からの探査衛星が飛んだ。
それが情報を、次々ともたらした。

納得できるかい?
おやおや、何のことだい?
普通、すぐそこってー感じだろ。
目と鼻の先、ったらさ。
まぁそんな感じだよなぁ。
だろ。
それがなんと、約6万8000年だぜ。
約6万8000年?
この星から到着するのに、だよ。
最高速の宇宙船でもさ。
SFだな、どんな物語だよ。
違う!
違う?

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